Geolonia、国のスマートシティ指針文書SCRAの別冊「地理空間データ連携基盤」第2版を執筆
〜内閣府が公開するスマートシティ・リファレンスアーキテクチャにおいてデジタルツイン構築に必要な都市OSの中核機能として新たに位置付けた『地理空間データ連携基盤』の最新実装を解説〜
Geoloniaは、内閣府が発行した「スマートシティ・リファレンスアーキテクチャ」(以下「SCRA」)の別冊「地理空間データ連携基盤」の第2版を執筆しました。別冊第2版は、本日、内閣府のスマートシティのウェブサイトに掲載されました。
内閣府ウェブサイト掲載ページ(2025/5/23公開)
〇「地理空間データ連携基盤」第2版(日本語版)
https://www8.cao.go.jp/cstp/society5_0/smartcity/scra-gs_2_3.pdf
〇「地理空間データ連携基盤」第2版(英語版)
https://www8.cao.go.jp/cstp/society5_0/smartcity/en_scra-gs_2_4.pdf

1. 背景と目的
スマートシティを実現するためには、都市が持つ多様なデータを効果的に活用することが不可欠です。しかし、現状ではこれらのデータが分野や組織ごとに分断されて管理されており、その連携が大きな課題となっています。この課題を解決し、データをスムーズに連携させるための仕組みとして「地理空間データ連携基盤」の重要性が高まっています。
この必要性を受け、内閣府科学技術・イノベーション推進事務局は、国のスマートシティ施策の指針文書であるスマートシティ・リファレンスアーキテクチャ(SCRA)第3版において、「地理空間データ連携基盤」を都市OSの重要な中核機能として正式に位置付けました。[1]
Geoloniaは、「地理空間データ連携基盤」のアーキテクチャの設計、実装、自治体における利用促進を進めてきました。これらの活動を通じて得られた最新の知見や実践的な学びを踏まえ、このたびSCRA別冊『地理空間データ連携基盤』第2版を執筆いたしました。本ガイドラインは、2025年5月23日に内閣府科学技術・イノベーション推進事務局より発刊しました。
2. 内容概要
「地理空間データ連携基盤」第2版では、以下のポイントを中心に最新の構造と実装要件を整理しています。

「地理空間データ連携基盤」の全体構成を示したアーキテクチャ図
- 3層アーキテクチャ:データ層、連携層、アプリケーション層の役割明確化
- 連携技術:空間IDやFIWARE等のデータ連携に関わる周辺技術との関係を記載
- データフォーマット:ベクトルタイル、データPNGなどのフォーマットの特徴や利点を強調
- オープンソース活用:CKAN、MapLibre GL JS、deck.gl、Tippecanoeなど、地理空間データ連携基盤がオープンソースのツールの組み合わせであることの提示
- 事例紹介:高松市「マイセーフティマップ」、焼津市「スマートマップ焼津」、国交省「不動産情報ライブラリAPI」など
- 参考となる仕様書例: 自治体等の組織が地理空間データ連携基盤を調達するために公開する仕様書のサンプルの提供
3. 地理空間データ連携基盤、都市OSの中核機能としての位置付け
スマートシティ・リファレンスアーキテクチャ(SCRA)第3版において地理空間データ連携基盤は下記の通り記載されています。
都市 OS の役割は、「都市のデータの統合基盤」としての機能であり、デジタルツインの要素が求められる。特に SCRA 別冊「地理空間データ連携基盤」に公開した仕様にあるとおり、分野を横断した標準的なデジタル地図基盤である地理空間データ連携基盤は、都市OSにとって必須となる。まずこの地理空間データ連携基盤上に分野間データを連携させ、分野間を横断したデータの見える化をすることが、まずはスマートシティ実現の第一歩である。
(出典:内閣府「スマートシティ・リファレンスアーキテクチャ」第3版 第7章、P151、2025年3月31日、https://www8.cao.go.jp/cstp/society5_0/smartcity/sc-whitepaper3-7.pdf)
地理空間データ連携基盤がデータ連携を推進する欠かせない機能として定義されたことにより、Geoloniaでは社会におけるスマートシティの推進に貢献していきます。
[1] 内閣府「スマートシティ・リファレンスアーキテクチャ」第3版 第7章 (2025年3月31日) https://www8.cao.go.jp/cstp/society5_0/smartcity/sc-whitepaper3-7.pdf