「誰の土地かわからない」を地図で解決する。所有者不明土地の管理を台帳×地図の一体化でスモールスタートする実務論
「この土地、誰のものか調べたいんですが……」
担当窓口に相談が持ち込まれても、登記簿を確認すると相続が何代にもわたって未登記のまま。現地に行けば雑草が茂り、隣接する道路の補修や災害対策にも手がつけられない。こうした「所有者不明土地」の問題は、全国の自治体で共通して頭を悩ませる課題になっています。
2024年4月には相続登記が義務化され、今後は未登記のまま放置されるケースの抑制が期待されています。しかし、義務化によって新規の未登記は減っても、すでに地域に埋もれてしまっている膨大な所有者不明土地への対応は、自治体が主体となって進めていく必要があります。
所有者不明土地の管理が引き起こす、現場の「二重の手間」
所有者不明土地の管理をExcelや紙の台帳で行っている自治体では、大きく2つの構造的な課題が生じます。
1つは、「地番と現地の場所が直感的に結びつかない」ことです。土地の管理は住所(住居表示)だけでは特定しにくく、地番ベースで追う必要があります。しかし、文字だけの台帳を眺めていても、「市内全体でどのエリアに不明土地が集中しているか」「避難路や公共施設の隣接地がどれくらいあるか」といった面的な把握ができず、限られた人員の中で「どこから優先して対応すべきか」の判断が下せません。
もう1つは、「調査状況や対応履歴の管理の分断」です。法務局への登記照会、相続人・戸籍の調査、現地調査の記録、関係部署への相談状況――。これらを台帳とフォルダ内の写真や図面でバラバラに管理していると、「あの土地は今、どのフェーズだっけ?」を確認するたびに、複数のシステムやファイルを往復する手間が発生します。
台帳と地図を一体化。kintoneプラグインによる業務の集約
この、位置の特定と履歴の追跡の2つの課題を同時に解決するのが、kintone(サイボウズ社)と地図をシームレスに連携させるアプローチです。
「GEOLONIA Map プラグイン」を導入すると、kintoneの台帳レコードとデジタル地図が同一画面に表示され、クリック一つで相互に連動するようになります。
- 地図と台帳の双方向アクセス: 地図上のピンをクリックすれば、瞬時に該当の台帳レコード(所有者調査の進捗など)が開き、逆に台帳の文字データから地図上の位置へワンタップでジャンプできます。
- 現地調査をその場で記録: 地図上から直接ピンを落としてレコードを追加でき、その土地の緯度・経度座標は自動的にkintoneへ入力されます。調査員がタブレットを持って現地に行き、その場で状況を入力・写真撮影するだけで、最新の台帳がリアルタイムに完成します。
- 進捗状況(ステータス)の視覚的共有: 「登記確認中」「現況調査済」「戸籍調査中」「所有者特定完了」といった対応ステータスに応じて、地図上のピンの色を自動で分けることができます。これにより、課内や他部署との情報共有が一目で完了します。
さらに、背景地図に「国土交通省不動産情報ライブラリ」の用途地域・都市計画図や、ハザードマップポータルの浸水想定区域などを重ね合わせることが可能です。 「土砂災害警戒区域内にある、崩落リスクの高い所有者不明土地はどれか」 「周辺の開発計画や避難路に干渉している優先度の高い土地はどこか」 こうした、災害リスクや街づくり計画との関係性を重ね合わせた「データに基づく意思決定(EBPM)」が、ひとつの画面上で完結します。
新システム導入なしで始められる
このプラグインの大きな特徴は、既存のkintone環境に追加するだけで利用できる点です。新たなシステムを調達する必要はなく、プラグインのインストールと緯度・経度フィールドの設定を行えば、数分で地図機能が使えるようになります。
すでに全庁的、あるいは原課での導入が進んでいるkintoneの環境があれば、そこにプラグインを追加するだけで、最短数分で高度な地図連動アプリを構築できます。
情報政策課や財政課に対しても、「既存のシステム資産(kintone)を拡張して活用するため、二重投資を避けつつ、これまでのシステム投資の効果を最大化できるスモールスタートの提案である」という極めて合理的な説明が立ちます。
「見えない土地」を見える化し、他業務の横展開へ
所有者不明土地の解消に向けての対応は、まず「どこに、どのような状態の土地が、どれだけあるか」を把握することから始まります。台帳のデータを地図に落とし込み、エリアごとの分布や対応状況を可視化することで、行政としての優先度に応じた計画的なアプローチ体制が作れます。
台帳と地図の二重管理から解放され、関係部署間での情報共有もスムーズになるこの仕組みは、所有者不明土地対策にとどまりません。
- 危険空き家の管理・立入調査記録
- 通学路の危険箇所・防犯灯の点検管理
- 道路補修やカーブミラーの維持補修要望管理
- 都市計画や開発申請の進捗管理
など、「位置情報とステータスを紐づけて管理する」自治体内のあらゆる業務にそのまま応用(横展開)できます。
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Geoloniaでは、kintoneプラグインの導入相談はもちろん、自治体全体の地理空間データ連携基盤を見据えた本格的な土地・都市管理の仕組みづくりまで、段階に応じたサポートを行っています。
まずは、現在のExcel台帳の課題整理や、実際のデモ画面のご確認からでも、お気軽にお問い合わせください。
※kintoneはサイボウズ株式会社の登録商標です。
自治体の方、自治体向けにデータ連携サービスを提供されている方、メディアの方など、まずはお気軽にご相談ください。
仕様の決まっていない検討段階での情報収集や、デモ画面の実演依頼も歓迎しております。



